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2008年11月10日 (月)

Razorlight 4点 

NME 11月1日号 ALBUMS Up all night laughing - Razorlight/ SLIPWAY FIRES

Arrogant, grandiose, and unintentionallly hilarious... welcome back, Johnny Borrell - 横柄で大げさ、狙ってるわけじゃないのに、爆笑... おかえり!Johnny Borrell

Razorlight_review_cropped

Johnny Borrellのどこが好きか。ま、正直、彼はそんじょそこらにいるトチ狂ったアイドルなんかより、よっぽどおもしろい。彼にインタビューしたことがあるっていう知り合いの何人かが、彼の目を見て話を聞いてるとまるで『Death Of A Salesman (セールスマンの死)』(注1)の主人公、Willy Lomanと話してるみたいだったって言ってた。この感じは、あたってる気がする-中身なんて空っぽ、でも野心の塊。成功への欲望は人一倍強いんだけど、実は『勘違い』と紙一重。『あなたも、これで出世できる』みたいな本に書かれていそうな、ありとあらゆる小技を駆使して、大物バンドになろうとしてるさまを見てると、もはや、彼は、イラつくとか憎たらしいとか、もうその域を超えてるよ。いまや単に、変な人。全くもって大笑い。で、うざったい。

いまあちこちでオンエアされてるPVで、彼が首からさげてるあの真珠のネックレス。あれは、なんだ? 寒気がしたよ。アルバムからの第一弾シングル、‘Wire To Wire’。あのお粗末で無意味、そのくせ情感たっぷりに歌い上げてる、あのパワーバラードはなんだ?あのビデオ、David Brent(注2)の‘If You Don't Know Me By Now’のクリップとそっくりなんだけど、あれは狙ってんの?

それから、そう。サードアルバムの中の、歌詞。これは、すごい。かつて、数々の歌詞で笑いを提供してくれたJohnny Borrell。代表的なのは“I met a girl/ She asked me my name/ I told her what it was”(一人の女の子に出会った。彼女がオレの名を聞いた。オレは、かつて呼ばれていた名を名乗った。)-‘Somewhere Else’より。それから、“I go out somewhere/ Then I come home again”(オレは出かける。そして、また家に帰る。)-‘America’より。これがパワーアップして“I've been crucified just for telling my story!”(もう、オレ、ほんとの話をしてるだけで、つるしあげられちゃってるのよ!)と、‘Hostage Of Love’(愛の人質)のなかで、嘆くJohnny。“These middle class kids are so strange!”(中流階級のお子さんたちは、とても変わってるわ!)と‘Tabloid Lover’(タブロイド誌の恋人)の中で叫ぶJohnny。そして、ダントツすばらしいのが‘North London Trash’(北ロンドンのゴミ)の“Ive got a hot-bodied girlfriend, who makes the cameras flash!”(オレの彼女はナイスバディ。いつでもカメラのフラッシュ、たかせるぜ)。全曲、Johnny節全開、バカ正直で、さりげなさや繊細さは1ミリもなし。しかも、これらは単に氷山の一角。ほんと、なんて言っていいか。

これだけ狂人的で支離滅裂な歌詞があるもんだから、音楽的にどうかっていう本質から、一瞬、注意がそれるのも事実。今回の‘Slipway Fires’のいいところは、Razorlightが結局のところ、フツーにつまらないインディバンド、よくてFleetwood Mac、悪くてWhitesnakeのマネをしてるにすぎないってことがはっきりしたってこと。全曲のアレンジ、バンドメンバーそれぞれの個性、これらはどっちにしてもボーカルJohnnyの『バカの領域』に、ぜんぜん達していない。残念だけど。

収録曲、‘Burberry Blue Eyes’の『ものまねU2ギター』のイントロは、恐ろしいほど薄っぺら。‘You And The Rest’、‘60 Thompson’は、面白くともなんともない。ピアノで奏でる、‘Blood For Wild Blood’、と‘The House’では、まず飛び込んでくる歌詞に度肝を抜かれる。その衝撃を乗り越えたあとは、テレビでやってるオーディション番組の彷彿させる。(第一次選考のあと、普通っぽい人たちは、やっぱり普通の人として落選していく感じ。)そう。この時点で、Borrell氏は、絶好調でおバカ全開(だから、エンターテイナーとして最高におもしろい)、なのに、彼の後ろにいるバンドメンバーが、全く彼についていけてないのだ。もしくは、いかに彼が奇妙に見られているかを指摘するだけの、ガッツがないのか。

要するに、Razorlightのサードアルバムは、誰がなんと言おうが、否定のしようがないお粗末な仕上がり。これは予想されたことだし、誰にとっても別に驚きでもない。ただ、残念なのは、はるか昔にJohnny Borrellに対する苛立ちを捨て、彼の奇行を笑うことで、楽しむことを覚えた人々にとって、このアルバムはいまいち、笑えない。いや、面白いのよ、これ。でも、期待してたほど、大笑いはできないってこと。多分、その理由は、このアルバムが『メインストリームを意識したインディバンドが、いま、スタジアム級のバンドになろうと必死です!』っていう音だからだと思う。そりゃ数は、いやというほど売れると思うよ。これ。同じように、『狙ってないのに、大爆笑』バンド、Nickelbackのシングルが今年、調子よかったんだから。ま、Razorlightは、いまそんなところにいるんだろうね。あのNickelbackのシングル買った人なら、このアルバムも買うよ。正気の沙汰じゃない。

だって、真珠のネックレスだよ!

Hamish MacBain

Downloadするなら、‘North London Trash’の、あの『オレの彼女はナイスバディ~』っていう歌詞のところだけ、どうぞ。

注1: アメリカ人作家、Arthur Millerによる著作。主人公の老いぼれセールスマンWilly Lomanは、友人もなく、社会からも必要とされない、辛い現実から目をそむけるため、華々しく活躍した過去の記憶にすがり生きている。見栄っ張りで、ひ弱で、現実認識が全くできていない主人公。最後に自殺。

注2: 英BBCで放映されていた大人気コメディドラマシリーズ‘The Office’で、コメディアンRicky Gervais演じる主人公。このIf you Don't Know Me By Nowのクリップはクリスマス特番のときに、放映された。

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10点満点中4点って、また中途半端だなぁ。で、そのシングル‘Wire To Wire’は、こちらのリンクからどうぞ。

http://jp.youtube.com/watch?v=T5L6gjL5wC4

で、文中出てきた、英国人コメディアンRicky Gervais演じるDavid BrentのIf You Don't Know Me By Nowのクリップはこれ。

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